
この記事の要点
- 風俗営業の店は、18歳未満を客として立ち入らせてはいけない(風営法第22条第1項第5号)。深夜に営業する飲食店も、午後10時から午前6時は18歳未満を客として入れられない(保護者同伴などを除く)
- 20歳未満に酒類を出すことは、風営法でも、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律でも禁止。酒類を出す営業者には、年齢の確認などの措置をとる責任がある
- 18歳・19歳は成年だが、お酒は出せない。入口では見た目で判断せず、年齢が分かる身分証で確かめる手順を決めておく
見た目は大人びていても、身分証を見れば17歳だった。入口でそれに気づけるかどうかで、店の立場は大きく変わります。働く人の年齢は書類で確かめる決まりがありますが、客の年齢は、入口で店が決めた手順でしか確かめられません。
この記事では、未成年の客について、風営法と二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律が店に求めていることを整理します。
風俗営業の店は、18歳未満を客として入れられない
風営法第22条第1項は、風俗営業を営む者の禁止行為を定めています。客の年齢に関わるのは次の号です。
十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること(第二条第一項第五号の営業に係る営業所にあつては、午後十時から翌日の午前六時までの時間において客として立ち入らせること。)。
風営法 第22条第1項第5号
キャバクラやラウンジのような接待をする店では、時間にかかわらず18歳未満を客として入れられません。風俗営業の店は、18歳未満が立ち入ってはならない旨を入口に表示する義務もあります(法第18条)。
警察庁の解釈運用基準は、「客として立ち入らせる」とは飲食や遊興をする客として入れることで、18歳未満が店に入っただけで直ちに違反になるわけではない、としています。そのうえで、営業者は18歳未満が店に立ち入ることのないようにし、立ち入っているのに気づいたら速やかに外に出るよう必要な措置をとる必要がある、と説明しています。
深夜に営業する飲食店は、午後10時以降に18歳未満を入れられない
接待をしない飲食店にも、この規定の一部が準用されます(法第32条第3項)。読み替えると、飲食店は午後10時から翌日午前6時までの時間に、18歳未満を客として立ち入らせてはいけません。保護者が同伴している場合と、営業の常態として主食となる食事を出す店などは除かれます(施行規則第102条)。
深夜酒類の届出で営業するバーやガールズバー、コンカフェで、夜の時間帯に18歳未満の客を入れることはできません。
20歳未満にお酒を出すのは、2つの法律で禁止
20歳未満への酒類の提供は、風営法(第22条第1項第6号、飲食店には第32条第3項で準用)と、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律の両方で禁止されています。
営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ二十歳未満ノ者ノ飲用ニ供スルコトヲ知リテ酒類ヲ販売又ハ供与スルコトヲ得ス 営業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販売又ハ供与スル者ハ二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス
二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律 第1条第3項・第4項
第4項は、酒類を出す営業者に、年齢の確認などの措置をとることを求めています。**「聞かれなかったから」「大人に見えたから」ではなく、店の側が確かめる仕組みを持つことが前提です。**お酒を持ち帰り用に売る場合の年齢確認と売場の表示は、お酒を持ち帰り用に売るにはで確認できます。
警察庁の解釈運用基準は、風営法の「提供」について、販売や贈与に限らず、20歳未満の人が持ってきた酒でも、グラスなどを使わせて飲める状態に置けば提供にあたるとしています。
18歳と19歳は、入れても酒は出せない
18歳・19歳は成年です。風俗営業の店の立入禁止は18歳未満が対象なので、18歳・19歳を客として入れること自体は、第22条第1項第5号の違反にはなりません。
ただし、20歳未満なので、お酒は出せません。18歳・19歳の客を入れる店は、席についたあとに酒類を出さない運用を、キャストとスタッフ全員が分かっている必要があります。客の年齢だけでなく、働く人の年齢の決まりは18歳未満と年齢確認にまとめました。喫煙室に20歳未満を入れられない決まりは、店内でたばこを吸える形と条件にまとめています。
違反したときの罰則
| 違反 | 罰則 |
|---|---|
| 18歳未満を客として立ち入らせる/20歳未満に酒類を提供する(風営法) | 1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、または両方(法第51条) |
| 20歳未満の飲用と知って酒類を販売・供与する(二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律) | 50万円以下の罰金(第3条) |
どちらも、従業者が店の業務として違反すれば、店を営む法人や個人事業主にも罰金が科されます(風営法第57条、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律第4条)。刑事罰とは別に、風営法の指示や営業停止の処分の対象にもなります。警察の立入で見られる点は警察の立入で何を見られるのかに書きました。
入口で決めておく確認の手順
法律は、客の年齢をどの書類で確かめるかまでは決めていません。だからこそ、店の中で手順を決めて、全員が同じように対応することが大切です。
| 場面 | 決めておくこと |
|---|---|
| 入口 | 若く見える客には、年齢が分かる写真付きの身分証を見せてもらう。見た目で判断しない |
| 確認できないとき | 身分証がない、生年月日が分からない場合は入店を断る(風俗営業の店)、酒類を出さない(飲食店) |
| 席について以降 | 20歳未満と分かった客には、酒類を出さない・持ち込みの酒にグラスを出さない |
| 気づいたとき | 18歳未満が店内にいると分かったら、速やかに外に出てもらう |
| 共有 | 誰が入口に立っても同じ手順になるよう、紙にしてスタッフに渡す |
身分証の写しを取って保管する義務は、この記事で扱った2つの法律にはありません。写しを残す場合は、個人情報として保管の場所と見られる人を決めておく必要があります。
今日できる確認
- 風俗営業の店なら、入口に18歳未満の立入禁止の表示があるか
- 若く見える客に身分証を見せてもらう手順が、入口に立つ全員に伝わっているか
- 20歳未満と分かった客に、酒類を出さない運用になっているか
- 持ち込みの酒にグラスを出すときも、年齢を確かめているか
- 深夜に営業する飲食店なら、午後10時以降に18歳未満の客を入れていないか
出典
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-Gov法令検索。第18条が年少者の立入禁止の表示、第22条が禁止行為、第32条第3項が飲食店営業への準用、第51条・第57条が罰則)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索。第102条が準用の除外)
- 二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律(e-Gov法令検索。第1条が禁止と年齢確認の措置、第3条・第4条が罰則)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(通達)(警察庁・令和8年7月1日・PDF。第17の10(4)が「客として立ち入らせる」、(5)が「提供」)
※2026年9月24日に上記資料を確認しました。自分の店の営業の形でどの規定がかかるかは、管轄の警察署か行政書士へ確認してください。






